最後の更新日を見て驚愕する

最後に更新してから五ヵ月を迎えていた。
その間に何か更新を休まなければならないような重大なことがあったのか、
というとそんなことはなく、むしろ読書→映画→音楽→テレビの娯楽のループを
仕事の合間に繰り返す毎日だった。
それはそれで楽しいが、楽しさで心が満たされるとパソコンを起動し、
ブログの作成ページにログインし、書き始めるという手順を一から踏む前に
充足感を抱えたまま布団に潜り込んでしまう。
自分のさぼり癖というか、後に後に物事を回してしまう性分にはほとほと困ったものである。

以前このブログで紹介した、原作を読んでないのに突入し中々に良い青春映画だった
『咲』の実写版の続きが作られるらしい。といっても扱い的には外伝というか、
主人公は変わるのだが。それでもスタッフは前回のプロジェクトと全く同じのようなので
今から期待で胸が膨らむ。

『咲』主演の浜辺美波さんは『君の膵臓を食べたい』で好演していた。
大人になった主人公が学生時代を回想し、その頃に出会った一人の同級生を演じている。
若干舌足らずな喋り方と彼女の身振り手振りがまるで漫画から飛び出してきたかのような雰囲気で、
こういうのが2.5次元なのだろうかと考えながら鑑賞していた。
もしかしたら人によっては好きになれないかもしれないなぁとも思ったりしつつ。

膵臓だけでなく人間の身体を盛んに食べるのが観られる映画といえば『エイリアン:コヴェナント』。
これはエイリアンシリーズの新作で、しかも2012年の『プロメテウス』の完全な続編である。
監督は同じくリドリー・スコット。
まさかここまで繋げてくるとはという位に律儀に前作の流れを引き継いでいるし、
この方がこういう続編映画を自ら撮るのってあんまり無いような気がする。
悪趣味なまでに残酷なゴア描写、自身の映像構築力に絶対の自信を持ち、
それもまぁ分かると感じる映像美を堪能する。
79歳なのに元気な映画を撮るなぁと嬉しくなってしまった。
前作は低評価が多いが自分は嫌いではなく、いつまでも眺めていたいほど宇宙船内が
惚れ惚れするくらい綺麗だったのだが、それ以上に本作が気に入った。

で、『エイリアン:コヴェナント』を観終わってから『ブレードランナー』を観る。
色々バージョンがあるが今回はファイナルカット。
コヴェナントは確かにエイリアンシリーズの一編なのだけれどもどうにも「ブレラン」の幻影を
所々に感じ、それを確かめたくなった。あと単純に久しぶりに観たかった。続編もあるし。
そして観てみると本当にそっくり。同じ監督が撮ったんだからそっくりも何も無いかとは思うが。
むしろ『ブレードランナー』から『エイリアン:コヴェナント』まで、
リドリー・スコット監督は何一つ変わっていない。
なぜこんなにもグロく、こんなにも幻想的で美しいか。やっぱり惚れ惚れしてしまった。
『ブレードランナー』では色々あって最後にルトガー・ハウアー演じるロイ・バティが今までの
激しさが嘘のように静かに語り、それが映画のハイライトとなる。
もしかしたら『エイリアン:コヴェナント』の「次」もマイケル・ファスベンダー演じるデイヴィットが
静かに語る時があるのかもしれない。
けど20世紀FOXは次回作作らせることに躊躇してるらしい。
それに対してリドリー・スコットはどうするのか? 
地に足付いた次の新作でヒットすれば何も言わなくなる。
もう予告編が出ていて、実話がベースの映画。
これでヒットを飛ばしてエイリアン続編&史劇映画を存分に撮る……と考えているかは定かでないけど、
今一番新作が楽しみな映画監督だよなぁと思った。

WOWOWでドラマ化されるノンフィクション『石つぶて』を購入して読んだりもした。
これが中々に読みごたえがある。外務省機密費を使い込んだ事件を追った本。
どういう話をどのように話したか。著者の清武氏は関係者に取材をし、徹底的に文章にした。
結果として小説のような語り口で事件の状況を追っていく形になっており、
骨太な警察小説を読んでいるかのような気分になった。
ドラマの主演は佐藤浩市さんで、本当に横山秀夫氏原作の警察ドラマの趣で作りそうな予感。
とはいえ自分はWOWOWに加入していないので、ソフト化を待つ。

そういう意味では黒沢清監督の新作『散歩する侵略者』も現在スピンオフのドラマが
WOWOWで放送されていて、無料放送された1話がべらぼうに良かった。
久しぶりに黒沢監督のホラーを観た! という満足感があり、カメラがじっくりと回って
一呼吸間を置いて何かが動く、なんていう演出で息が詰まる。
映画版もエンタメしてるなぁと思いつつ結構好きだったのだが、スピンオフも大好きになるかも。
とにかく東出昌大さんが素晴らしい風体。この人結構好きなのである。

音楽というと尾崎裕哉さんの『グローリーデイズ』が良かったなぁ。
父親の尾崎豊さんも伸びやかな歌声が魅力だったけど、ご子息もそんな感じがする。
というかああいう疾走感のある曲が似合う声な気がする。
いまシングルを何枚か出しているみたいなので、1stアルバムが出たら買いたいかも。
アルバムと言えばキック・ザ・カン・クルーが復活してアルバムを出したので買わねばならない。

色々と物欲が膨れ上がるのはストレスも溜まっている証拠か否か。
なるべくサボらないように頑張っていきたいです。
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リアル脱出ゲーム『夜の魔王城からの脱出』に行ってきた。

初めてリアル脱出ゲームに行ってきた。

「リアル脱出ゲーム」とは、ある限られた空間の中で提示される様々な謎を解き、
制限時間以内にゲームクリアを目指す体験型イベントだ。
全国で開催されていてチケットが発売されると速いスピードで売り切れるらしい。
私が今回行ったイベントの参加者は約950人ぐらいだったのだが、
これぐらいの人数が毎公演参加しているようだ。
以前から評判はネット上で目にしていて興味はあった。
そんな時に知り合いに誘われたので、初参加。

『夜の魔王城の脱出』はRPGのような世界観設定の脱出ゲームだ。
闇に包まれた魔王城に迷い込んでしまった主人公は、
かつて封印された魔王が再び復活してしまうその時までに城から脱出しなければならない。
この主人公というのが参加者自身であり、
「闇に包まれた魔王城」とは夜の遊園地である。
ゲームの参加者は実際に夜の遊園地を歩き回りながら、その中で用意された謎を解いていく。
謎を解いていくことでシナリオは進んでいき、最終的なゴールを目指す。

いたるところに謎が用意されているので、ゲーム中は園内全体を歩き回るように設定されている。
ゲームの世界観がRPGのようなので、まるでダンジョンやフィールドだ。
これが、割と疲れる。謎を解く為にあっちに行ったりこっちに行ったり……。
『風来のシレン』シリーズや『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』シリーズというゲームで
主人公が行動していく内に空腹になっていくという要素があるのだが、
それを体験出来るといっていい。
おかげでゲーム終わった後のビールと焼き鳥は美味かった……。

で、このリアル脱出ゲーム。形式上、絶対にネタバレ禁止だ。
どういうクイズが出たのか、それをどうやって解決したのか、
どんなストーリーが待ち受けていたのか。それらは絶対に明かしてはいけない。
ゲームの開始前にSNSにも書かないでくださいとも注意喚起される。
それで守ってる人が結構多いみたいなので、今の時代に大多数が参加するイベントで
閉鎖性が保たれてるのは良い。ここでも書きませんのであしからず。

物語の展開に合わせてこれから起こる事件を解く為の要素が並べられていき、
作中の登場人物同様に読者も推理可能となるのがミステリ小説の基本、
と考えているのだが(クオリティが高いのであれば必ずしもそれを守らなくても、とは思いつつ)、
このリアル脱出ゲームはその基本に忠実なのではなかろうかと思った。
脱出する為に必要な答えを推理する要素がどんどん提示されていくし。
その為に色々なことに対して怪しむ目を持つので結果的に若干疑心暗鬼気味になるけども、
それもまたミステリ作品の登場人物になったような感じで、気分は探偵だ。
制限時間終了後のゲーム解説で正解が提示される度に会場がドドっと沸くのは、
ミステリ漫画で金田一少年や眠りの小五郎がトリックを説明して
登場人物が「なっ!?」と驚く流れと似ている。

探偵といえば脱出が目的というよりも本当に事件解決がメインのイベントもあるようで、
そっちは本当に探偵気分でゲームに参加出来るらしい。
こういうイベントが『名探偵コナン』とコラボするというニュースを時々目にするが、
そういう取り組みをするのも分かるなぁと今回参加して感じた。

ということで、初体験のゲームは非常に良い時間でした。
脳みそと身体の両方を使うので疲れますが、その後の食事はべらぼうに美味いですよ。
ちなみに今回の私は「なっ!?」を言う側でした。
時間に追われて肉体的に疲れた状態で推理するの、本当スゴイ。
江戸川コナン君は普段の事件では頭と身体をバランス良く使い、
映画では身体能力にパラメータを全振りしているんだろうなぁと思いました。
興味のある方は是非どうぞ。

対決映画ベストテン!

男の魂に火をつけろ!」さんが行なっている毎年春と冬に行っている映画ベストテン企画。
今年も投票が始まったので参加することにしました。
今回は『対決映画ベストテン』。

誰かと誰かが正面対決する映画は数多くありますが、
今回難しいなと思いつつ面白いなぁと思ったのは、
作品のタイトルに対決する両者の名前が入っていなければならないという条件。
「対決といえばデニーロとアル・パチーノの『ヒート』だ!」と思っても、
2人の役名がタイトルに入ってないから投票することは出来ません。
なのでかなり悩み、結果的にジャンル的に偏って形になりました。
でも好きな作品ばかりなので、良いです。

1.県警対組織暴力
(1975年 深作欣二監督 菅原文太、松方弘樹主演)

2.クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望
(1995年 本郷みつる監督 矢島晶子主演)

3.フレディVSジェイソン
(2003年 ロニー・ユー監督 ロバート・イングランド主演)

4.ザ☆ドラえもんズ 怪盗ドラパン謎の挑戦状!
(1997年 米谷良知監督 佐藤正治、一龍斎貞友主演)

5.クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王
(1993年 本郷みつる監督 矢島晶子主演)

6.ルパン三世 ルパンVS複製人間
(1978年 吉川惣司監督 山田康雄主演)

7.貞子VS伽耶子
(2016年 白石晃士監督 山本美月、玉城ティナ主演)

8.海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE
(2012年 中澤祥次郎監督 小澤亮太、大葉健二主演)

9.バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生
(2016年 ザック・スナイダー監督 ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル主演)

10.平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
(2014年 柴﨑貴行監督 佐野岳主演)


1を観たのは昨年なのだが、強烈に印象に残った1本なのでこの位置に。
キレる導火線がどこなのか分からない2人が仲良くしてる前半、
色んな事情が絡み合って関係が拗れ、対立していく後半と対決のお膳立てはバッチリ。
と同時に哀愁も感じさせる。『十三人の刺客』で松方弘樹さん凄い! と思ったけど、
若い頃はもっと凄かったことを痛感させられる。菅原文太さんも素晴らしいです。

一応戦う2人の名前が入っているし対決モノだよなぁと思い、2もランクに入れました。
妙に凝ったSF描写やタイムスリップした時代の描写もさることながら、
やっぱり殺陣の迫力が素晴らしい。
クライマックスは伏線はあったものの今までの展開が嘘のような度肝抜かれる規格外の対決。
ヒーローとロボットがぶつかり合うクレしん映画はロマンの塊である。

3は昔テレビで吹替え版が放送されていたのを観て、強烈に記憶に残った1作。
そもそも宣伝として流れてたTVCMでも怖くて、実際観ても怖かった。
素晴らしいのはタイトルだけでなくちゃんと対決しちゃうこと。サービス満点。
青野武さんの吹き替えによるフレディは最高です。

4は両者っていうか集団対一の戦いなんだけど、好きなのでこれも入れます。
戦う相手はこの映画だけのドラえもんなのでプレミア感もありつつ、
強敵として演出されてるのも良い。

5はクレしん2作目。こっちも好きなのでどうしても入れたくて、入れました。
敵が馬鹿馬鹿しいけどかなり追い詰められた状況から
次々と戦いが行われるのが良いし、
表題の戦いがコミカル且つハードに描かれるから興奮待ったなし。
ハイグレ大魔王は野沢那智さんが声を担当。
良い悪役には良い役者が付くものなのでしょう。

6は対決モノであると同時にクローン技術に焦点を当てたSF映画としても秀逸な一作。
ルパン音頭がよく取り上げられるけど、
内容が結構ハードなので清涼剤になるんですよねぇあのエンディング。

7はまずタイトルのインパクトが強い。
そして監督の人選をちゃんとしたことで
真っ当に対決させることを描くのに成功した映画としても評価出来る。

8は、実はギャバンは観たことなくてゴーカイジャーしか観てなかったのですが、
ゴーカイジャーをメインにしつつレジェンドヒーローへのリスペクトを忘れずに
作られた作品として高評価。対決もちゃんとしてますよ。

9は正直タイトルに入っていないヒーローに
スポットを奪われてしまった感じがしなくもないけど、
圧倒的映像で対決を演出しているのは評価したい。

東映ヒーローの春映画といえば個人的にはお祭り上等&インパクトを
重視することが命だと思っているので、10のタイトルにあるように
「平成ライダー」「昭和ライダー」と公式が分類して戦わせるという企画は大歓迎だし、
対決の行方を投票で決定するという観客参加型な宣伝も嫌いではない。
なので入れました。


ということでアニメと特撮が多くなってしまいました。
それでも対決モノが多いゴジラシリーズは敢えて外しました。というか、
思い出深さと強烈さで選んでいったらこの10本になってしまった感じです。
特撮でいうなら平成ウルトラマンの映画も入れようと思ったのですが
タイトルにあるのは「&」だしなぁと思ったので悩み、今回は止めました。
誰かと誰かが戦うことを大々的に宣伝した映画はいつの時代も心を震えさせるのかもしれません。

以上、集計大変かと思いますが、よろしくお願いいたします!

連休の果てに『タクシードライバーの推理日誌』を見たという話。

三連休も今日で最終日だ。
来月は祝日はあっても連休は無く、それは5月までお預け。
毎月連休があったら良いのに、と考えてしまうのは子どもっぽい発想だろうか。

連休中は知人と映画を観たついでに食事をしたり、
ふと歌いたい衝動に駆られて
(要は発散したいという気持ちがあったのだろう)カラオケに行ったり……とにかく
自分のしたいことを気ままにやった。
頭の中の片隅には仕事のこともあるので時々それを引っ張り出しては休み明けは
どう動こうかと考えたりもしたけれど、基本的には遊ぶことを中心とした日々。

それから録画して溜まっていた2時間サスペンスを見て、
最後にやり残したことはないだろうかと考えた結果、
そういえばまたblogの更新をサボっていた気がすると思い、こうして記事を書いている。

しかし考えてみればブルーレイレコーダーには1日では
決して見終えることは不可能な録画したドラマや映画がまだあるし、
やれることを探せば埃のようにワンサカ出てくる。要はやる気があるのかどうか、に尽きる。
そしていま自分が最もやりたいと思えたのは、こうしてブログに記事を載せることだった。

そういえば昨日のテレビ朝日で『タクシードライバーの推理日誌32』が放送されていた。
先日お亡くなりになった渡瀬恒彦さんの追悼番組だ。
このドラマは「32」とあるように長年続いている2時間サスペンスドラマのシリーズで、
今回放送したのは以前作られたものだから、再放送である。
私がこのシリーズを見たのは今回が初めてだった。

渡瀬恒彦さんの出演作品はそんなに観ていなくて、
それでもこの方が主演を務めた『狂った野獣』『暴走パニック大激突』は大好きだ。
軽快な喋りの演技を見せたかと思えば、鋭い眼光をで物事を睨み、
自らの身体で危険などものともせずに目的の為に突っ走る。
時には突っ込んでいく、という表現が似合いそうなその姿は、
誰だって惚れてしまうような魅力があった。

『タクシードライバーの推理日誌32』でも、軽快な喋りは健在だった。
元刑事でいまはタクシーの運転手を務めている主人公。
どうやら毎回事件の関係者となる女性を客として乗せてしまうらしい。
そのせいで事件を捜査する刑事たちに付きまとわれる。
立場上は彼らの先輩だから、関係も良好のようだ。朗らかなやり取りに笑わせられる。
かと思えば女性に対しては優しくて紳士的な立ち振る舞いで接するし、
事件について調べる時に見せる真剣な眼差しには同じ人物とは思えないほどの強さがある。
渡瀬さんの魅力がこれでもかと詰まっていたドラマだなぁと思えた。
とはいっても今回のは第32弾な訳で、自分が視聴していない残りの回でもそういう魅力は
振り撒いているのだとは思うけれども。
あと長期シリーズらしく色々なお約束みたいな掛け合いが幾つもあって、
それが初見の自分にとってはとても新鮮でケラケラと笑ってしまった。
例え長年続いていたとしても初見の人が入り込みやすいのが、
長期シリーズの2時間サスペンスの良さなのかもしれない。

という訳で何も考えずに連休中の総まとめをしようと思ったら、
結局『タクシードライバーの推理日誌』の感想になってしまった。
というより、渡瀬恒彦さんに関する記事だ。
自分はこの方の出演作は後追いの人間だけれども、
それでももう現在この世にいないということに割と衝撃を受けているのかもしれない。
とりあえず先に挙げた主演作2本ともう1つの主演作『鉄と鉛』のDVDはamazonで
購入したので、届いたらそれを観ようと思う。
あと、BSで2時間サスペンスが放送していたら、
未視聴で興味の沸くドラマは出来る限り録画しようと考えている。
興味のある方は渡瀬さんが出演されたドラマや映画を是非どうぞ。

実写版『咲 -Saki-』を観たので、その感想。2017年初更新?

2017年もあっという間に3月を迎えた。
にも関わらず元来のさぼり癖が発作を起こし、
かなり長い間ブログの更新が滞っていた。
この記事を書くまでに色々劇場公開映画は観たというのに
仕事の忙しさを理由にして「明日書くか……」を繰り返し、
その明日がようやく来た。
「明日って今さ!」 
そんなことを叫んだ漫画もありましたと前置きはこのぐらいにして。

シネマート新宿にて『咲 -Saki-』鑑賞。
原作はヤングガンガンにて連載中の麻雀漫画。
麻雀に青春を賭けた女子高生たちが全国大会優勝を
目指す青春ストーリー……のはずである。
なぜそんな曖昧な表現になってしまうかというと、
私は原作やアニメにほぼノータッチだからだ。
「ほぼ」に留めたのは一応漫画の存在は知っていたし、
キャラクターの絵も目にしているから。
アニメ化するほどの人気はあるので、
インターネットをやっていれば1度はそのビジュアルを見た人も多いと思う。

この実写版『咲 -Saki-』、
まず先にTBSにて深夜帯でドラマが4話+特別編の計5話放送され、
今回公開された映画はそのドラマシリーズの決着となる。

実はそのドラマ版すら未見だった(だった、とした理由は後述する)。
じゃあなんで観に行ったの? と問われると、
第一の理由として自宅から行ける距離と時間に上映するのを知ったから。
第二は単純な興味本位。
そして第三の理由は、鑑賞した人の評判の良さをSNSで目にしたからである。
同日に『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』を鑑賞して
満足した気分だったので、仮にハズレだったとしてもまぁ良いか、
という気分で足を運んだ。

ところが、これが中々に楽しめたのである。
正直最初は原作重視と思しき少女達のビジュアルや
キャラクターに面食らったのも事実。
しかしそれに慣れさえすれば、
戦う競技が麻雀というだけで内実は王道の青春映画だった。

映画は、全国大会へ進出する県代表を決める為の予選大会の模様を描く。
主に焦点があたるのは四校。
うち一校がこの作品の主人公が在籍する学校だ。
この四校が予選を勝ち抜いて決勝まで駒を進め、
決勝で行われる団体戦の行方が見所となる。

団体戦と並行して描かれるのが、
各校の麻雀部の女子高生たちの戦う理由だ。
なぜ麻雀部に入ったのか?
なぜ大会で優勝したいのか?
誰の為に戦っているのか?
戦いの中で少女達はそれぞれ自分が負けられない理由を思い出し、
対戦相手に挑む。つまり全員が主役、群像劇になっているという訳だ。
そうした個人のドラマが光を強調した映像による美しい過去として
回想的に挿し込まれるので、私は1人1人を応援するような気持ちで観てしまった。

そんな彼女たちのドラマと戦いの果てに見えてくるのが、
全力で何かを楽しむことの大切さだ。
そういった爽やかな着地を見せてくれるという点でも、
本作は素敵な青春映画である。
私は麻雀の知識はかなり浅く、役すら覚えていないような人間だ。
しかしそんな私でも楽しめたのは、芯の通ったストーリーが展開されたからだろう。

先述したビジュアルやキャラクターは彼女たちが使う特殊能力と関係してくる。
それぞれが得意技を持っていて、その技を活かして勝とうとする。
思わぬ相手の一手やトラブルによって
それが封じられ苦戦を強いられるなど、
恐らくここは原作の物語展開があるからこそだとは思うが、
麻雀要素も飽きずに楽しめた。

演出的にも惹かれる部分が多く、
特に仲間同士が手を握る・拳を作るといった友情描写が良い。
ちなみに本作には男子はほぼ登場しない。女子の友情というやつですね。
萌えと燃えが同居していて印象的。

役者陣も主演的な立ち位置の浜辺美波さんを筆頭に良かった。
所謂ラスボスとなるキャラクターを子役が演じていてびっくりしたのだが、
『貞子vs伽椰子』で印象的な霊媒師「珠緒」を
演じていた子だと知って更に驚いた。
だからという訳でもなく、大敵としての表現としてホラー映画のような
演出が為されていたのだが、ここも中々に良かった。
監督の小沼雄一さんは青春映画やホラー映画、
更には麻雀のVシネと幅広く作品を監督されているようで、
今までのキャリアが活きたシリーズだったのかな、と思った。

という訳で映画版を楽しんでしまったのだが、
その後にamazonプライムにて深夜帯に放送していた
ドラマが見放題になっていることを知り、早速視聴。
映画→ドラマシリーズという逆の流れで鑑賞した
(だからさっき未見だったと書いたのである)。

このドラマシリーズは浜辺美波演じる「宮永 咲」という女子高生が、
麻雀に対して複雑な感情を抱きながらもある決意をもって麻雀部に入部し、
麻雀を打つことの楽しさに目覚めていく物語だ。
同時に映画版で描かれた県大会へ向けてのトレーニングも描かれる。
1話約20分なので全4話見ると、
80分ほどの青春映画を観たような気持ちになり、こちらも大満足の出来。
花びらが舞い、雨が降り、とどめに女子の真正面カットと美しさで
彩られた第1話から始まり、コミュニケーションの場として橋を使ったり、
アルバイトする姿や合宿の話なんかも入ってきて、
映画版のみならずこちらも王道の青春モノ。
ストーリーの展開を一校のみに絞っているので、
人によってはこっちの方を気に入る人もいるかもしれない。
テレビで放送することを前提としているからか、
麻雀の専門用語が台詞として出てくると説明の字幕が入るし、
画を飽きさせないように画面分割で対局中の面々の顔を同時に見せたりと、
演出に工夫が感じられて好感を持った。

そんな訳で原作もアニメも触れていないくせに
この実写版『咲 -Saki-』を存分に楽しんだ。
なぜこんなに楽しめたのかというと、
やっぱり脚本やそれを活かした演出、そして役者が良かったからだと思う。
アイドルや若手女優が多くを占める作品ではあるが、
適材適所の配役になっていたのではないだろうか。
興味のある方はとりあえずドラマの1話から是非どうぞ。
プロフィール

ヤギメロ

Author:ヤギメロ
映画とか本とか、色々好きな者だす。

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