『ゼロ・グラビティ』を観に行きました。/地球に生まれて良かったー!

公開後、アメリカで異様に評判の良かった作品『Gravity』が
ゼロ・グラビティ』という邦題で遂に日本上陸。
予告の時点で「これは恐ろしい映画だ……」と予感させるものでしたし、
絶対に行かねばと思っておりました。

最初はなんで原題に「ゼロ」なんて付けたのかなと思ってましたが、
この映画で描かれる無重力空間での恐ろしい出来事の数々を前面に推し出したかったから
なんでしょうね。確かにとんでもないですよ。
しかし映画を実際に観て感じたのは、むしろ重力があることの素晴らしさでした。
だからこそ『Gravity』というタイトルが活きてくるんだなと思いました。
公式サイトはこちら


地球の上空60万メートルの無重力空間で、メディカルエンジニアの
「ライアン・ストーン」博士(サンドラ・ブロック)がシステムの故障原因を探っていた。
周囲ではこれが最後のミッションとなるベテラン宇宙飛行士「マット・コワルスキー」
(ジョージ・クルーニー)がジョークを飛ばしながら宇宙遊泳をしている。
すぐに終わると思われたミッション。だが突如、地球のヒューストンから緊急連絡が入る。
ロシアが破壊した自国のスパイ衛星の破片が別の衛星にぶつかり、デブリとなって
ライアン達の方へ飛んでくるというのだ。避難しようとするライアンだったが、あっという間に
デブリは彼女たちに襲い掛かる。一瞬のうちにデブリはシャトルを破壊し、ライアンとマットは
宇宙空間上に放り出されてしまう……というのが簡単なあらすじです。

映画はまず真っ黒な画面に宇宙とはどのような空間なのか? が説明されるとともに、
強烈な重低音が観ている私達に襲い掛かってきます。
そして次の瞬間訪れるのは、雄大な地球の姿と限りない宇宙空間。
周囲に流れる音は一切なく、静寂が身体を包み込んできます。

その震えるほどの重低音からの静寂というのは、私達を映画館内にいながら
ロケットに乗って地球から宇宙へ飛び出したかのような感覚にさせてくれます。
この時点から私達の意識はスクリーンの向こう側に持って行かれ、
まさに「体感映画」の名にふさわしい始まりを告げるのです。

監督であるアルフォンソ・キュアロンは『トゥモローワールド』という自身の監督作で
とんでもないくらいの1カット長回しを行ない話題になりました。
本当は公開前に観ようかと思ってたんですが……まだ観ていない! 絶対に観ようと思います!

という訳で私は今作でその長回しを体験しましたが、もう凄い凄い。
ずっとカメラが回っていて、まるでドキュメンタリー班がカメラを持って
宇宙にいるような印象を抱かせます。しかも宇宙空間には
上下左右といった方向の定義は無に等しく、縦横無尽にカメラは動きます。
かと思えば時折ライアン博士やマットの主観カットも挿入され、それすらも長回し。
この主観カットも「これでもか!」と続くことで、次第に私達とライアン博士は感覚を
共有し始めます。これによって彼女が酸素を求めて呼吸が荒くなったり必死で動きもがく度に、
こちらも苦しくなってくるのです……少なくとも私はそうでした。
酸素がしっかりある映画館内にいるはずなのに、ようやく酸素を手に入れたライアンと共に
ついついフゥ、と息を吐いてしまいました。
このまるでライアンと一体化したかのような気分は私の中で最後まで続き、
映画が終わってもしばらく続きましたね。

この作品を観ていて感じたのは、宇宙というのは
生死の境界線上にある場所なんだということです。
ふとした瞬間、ふとした拍子に簡単に命が消えていく場所。それが宇宙なのではないかと。
だからそこから帰ってこれた人間は間違いなく価値観が変わるというか、
ある種の「進化」をするのではないでしょうか。
ベテラン宇宙飛行士であるマットはそんな宇宙空間でとてつもなく落ち着いています。
死ぬかもしれない状況に焦るライアンとは対照的な人物像は、
どこか生と死を超えた達観したもののように感じられました。
それは彼が、誰よりも宇宙空間にいたからではないかと思います。
そんなマットの存在はライアンの中でも重要な役割を果たしており、
彼女の進化を促しているのかなと思いました。

死ぬか生きるかのギリギリの状況に投げ込まれたライアン。
最終的に彼女が迎える結末は、私にある再認識をさせてくれました。
酸素があるということ、色のある世界、そして地に足をつけて歩けるということ。
タイトルにある通り、まさに「地球に生まれてよかった!
と思わせてくれます。
映画のラストカットは原題『Gravity』の意味を感じさせる素晴らしい締め方でした。
宇宙を体感したい方、自分が今いる場所にいられることの凄さを感じたい方、是非どうぞ。



中国のISSに卓球のラケットがあるのは笑った。
トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション [DVD]トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション [DVD]
(2007/03/21)
クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア 他

商品詳細を見る
スポンサーサイト
プロフィール

ヤギメロ

Author:ヤギメロ
映画とか本とか、色々好きな者だす。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード