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映画『アイアムアヒーロー』を観た。/日本でこんな作品が作られるなんて!

作品の内容に関する話が多いので、ネタバレ気味です。ご注意を



若い頃に賞を獲ったものの35歳になっても未だ自分の連載が持てず、
漫画家のアシスタントをしている「英雄(ひでお)」。
同棲中の恋人「てっこ」には愛想を尽かされ、趣味の猟銃と共に家を追い出されて人生崖っぷち。
そんなある日、てっこからの電話を受けて英雄が仕事場から追い出されたアパートに戻ると、
異形の化け物に変わり果てたてっこがいた。
襲い掛かるてっこの命を不意に奪ってしまい、逃げ出す英雄。
外に出た彼が目にしたのは、「ZQN」と呼ばれる化け物に変貌した者達が人間を襲う光景だった。
英雄は逃げる最中に偶然出会った「比呂美(ひろみ)」という女子高生と共に、
標高の高い場所では感染しないという噂を信じて富士山へ向かう。
そこから英雄のサバイバルが始まった……。
公式サイトはこちら

ビル群から煙が湧き上がるのを捉えたロングショット、
逃げる英雄を画面中心に配置して街中の混乱を映した長回しの移動撮影、
空を飛ぶ輸送ヘリの大群の描写。
主人公である英雄が見える範囲に限定されているものの、
平穏な日常が終わりを告げて非日常へ転がっていく様子が作品冒頭で克明に描かれている。
黒沢清監督の作品『回路』の終盤で描かれたような
日本が崩壊する描写のアップデート版を見せてくれた気がして、一気に心を鷲掴みにされた。
(「テレビ東京」ネタは多分原作のギャグなんだろう。笑った)

特に目を惹くのは、高速道路上でのカークラッシュだ。
日本のタクシーが思いっきり吹っ飛ぶ映像を邦画で観られるとは思わなかった。
このシーンは日本国内ではなく韓国で撮影しており、ついでにいうと
映画中盤からの舞台となるアウトレットモールも日本では撮影出来る場所がなく、
同様に韓国で撮影したらしい。
日本映画でもここまで気合の入った映像が観られるのか!
と興奮しつつも、撮影し辛い日本国内の現状にガックリときた。
ただ、逃げる英雄とZQNが人間を襲う姿を見せる長回しは静岡の浜松の住宅街で撮影したとか。
(そういえば押井監督作品『TNGパトレイバー』も東京が舞台ながら多くは静岡県で撮影していたような。
東京が世知辛いのか……)

とにもかくにも、圧巻の映像が観られる。

主人公の英雄は猟銃所持許可の証を持ち、劇中でも「お守り」として猟銃を構える。
しかし本編で撃つのはずっと後のことなので、
ガンアクションという点から見れば本作の銃演出のバリエーションは非常に少ない。
だが日本における銃への認識やその扱い方を英雄を通して一貫して描いているので、
「撃つか、撃たないか」を決意する彼の心情描写と重なってくる。
結果として、銃をあまり撃たないのに銃映画としてのドラマも成立していた。

クライマックスで大活躍する猟銃の演出はリロードと発射の単調な繰り返しながら、
標的となるZQNの外見や吹っ飛ばされ方が多種多様なので観ていて飽きない。
(それに単調といっても、リロードの連続で疲れてくる英雄の様子も映しているところが細かい)
何よりこのシーンは銃を撃つと決めた=誰かを守る為に戦うと決意した
英雄のドラマの最高潮の瞬間であり、粗を考えるよりも先に興奮させてくれる。
その興奮が冷めるほど大きい瑕疵が無かったのも好印象。
個人的には「銃ってのは撃つだけじゃないんだぜ!」って部分もあったので、燃えた。

あとやっぱりどう考えても、
本作にはグロ描写が素晴らしい輝かしいアピールポイントがある。
年齢制限を掛けてはいるものの、苦手な人が観たらとことん引くであろう
(ZQN化した人間の)身体の破壊描写が満載。積み上がっていく屍の数にはもう笑うしかない。
これが300を越える全国の劇場で上映されているという状況に驚く。

主演の大泉洋さんも素晴らしい。
容赦ない現実が彼に降りかかる作品冒頭の日常パートは、
観ていて辛くなるほどに情けなく演じていた。
自分のいまの現状と「英雄」という名前のカッコよさとの差を自虐的に言う場面や、
行動に移せずに妄想だけで済まそうとする姿など(妄想演出は至るところで効果的に使われる)、
早く非日常が始まってくれと懇願したくなるほど胸が痛くなる場面の連続。
世界がZQNだらけになっても無力な自分への歯痒さに苦しむ姿も印象的。
そんな苦しむ姿が描かれているからこそ、戦う決意を固めた時の彼の表情はカッコ良い。

ZQN側でいうならインパクトがあるのは、片瀬那奈さん演じるてっこ。
この一作でホラー映画クイーン戦線に浮上したような気がしなくもない。
ただ、英雄との関係に絡めたドラマパート的にはどうだったかと考えると、少し微妙。
というのも、ZQNになっていたとはいえ、英雄はてっこを殺してしまったという事実がある。
比呂美と出会ってからはその辺りの部分はどこかへ置いてけぼりになり、
最後まで思い出すことが無かった。
少しは振り返る場面があっても良かったのではないだろうか。

その他の面々、アウトレットモールに舞台を移してから登場する人々だが、
本編の残り時間もあってか各人物の背景に関する説明はあっさり気味。
特に奥さんがZQN化してしまった背景を持つ「アベサン」なんかは、
恋人がZQN化したという似た境遇の英雄との関係をもっと膨らませても良かったのでは?

一方で驚いたのが、比呂美演じる有村架純さんの使い方だ。
というのも、彼女は途中からほぼ喋らなくなる。
それにより終盤の僅かに喋る場面が際立ってくるので演出的にはOKだと思うのだが、
一応いま人気の女優でこういう起用が出来るんだなぁと思っていた。
しかし後で購入したパンフレットを読むと、
撮影は2年前(つまり2014年)で彼女主演のヒット作『ビリギャル』も作られていない時期と判明。
考えてみればもう一人のヒロイン「藪」が出てきてからは比呂美の存在は少し薄くなり、
映像的に目立ち始めるのはその藪を演じる長澤まさみさんの方だった。
藪が主役のスピンオフドラマもネット配信限定で公開されているし、
有村さんはヒロインではあるものの、扱い的にメインは長澤さんなのだろうか。

本作では「そもそも何でZQNなんて生まれたのか?」
「英雄は若干噛まれたけどそれは大丈夫なのか?」
「いま世界はどうなってしまっているのか?」等々の部分は描かれず、
物語は主人公である英雄個人のドラマへと集約されていく。
そういう意味ではまだ完結を迎えていない(原作も終わっていない、という問題もあるが)。
そこで思い出したのが『進撃の巨人 前編』だ。語り口も世界観も全く異なるが、
「1人の何者でもない男が何かを決意して立ち上がり戦うまでの物語」の映画として
同系列にある作品なのでは……というのは考え過ぎだろうか。
それに配給も同じ。もっと調べたら、エグゼクティブプロデューサーまで一緒の人だった。
東宝は『進撃の巨人』2部作と『アイアムアヒーロー』の3本で
世界に打って出る戦略を計画していたのかもしれない。

結果として本作は海外で賞も獲ったので、
日本国内の成績が良ければ続編を作るつもりなのだろうか。
であるならば、本作で見せてくれたモノ以上の作品を期待してしまう。
それぐらい非常に質の高い作品だった。
お薦めです。但しグロいので、そこは注意のほどを。
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『筋肉映画ベストテン』!

男の魂に火をつけろ!」さんが行なっている毎年恒例の映画ベストテン企画。
今年も投票が始まったので参加することにしました。
今回は『筋肉映画ベストテン』。

これは参加するのにかなり覚悟がいるんじゃないか?
……等と色々を考えた気もしますが、お祭りには参加します。
今年はMMM(モースト・マッチョ・マン)を決めるとか。凄い。

1.オーバー・ザ・トップ(1987年、メナハム・ゴーラン監督、シルヴェスター・スタローン)
2.プレデター (1987年、 ジョン・マクティアナン監督、 アーノルド・シュワルツェネッガー)
3.マン・オブ・スティール(2013年、ザック・スナイダー監督、ヘンリー・カヴィル)
4.スコーピオン・キング(2002年、チャック・ラッセル監督、ザ・ロック)
5.クリード チャンプを継ぐ男(2015年、ライアン・クーグラー監督、マイケル・B・ジョーダン)
6.ブロンソン(2008年、 ニコラス・ウィンディング・レフン監督、トム・ハーディ)
7.バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年、ザック・スナイダー監督、ベン・アフレック)
8.マッスルヒート( 2002年、下山天監督、ケイン・コスギ)
9.刑事物語(1982年、渡邊祐介監督、武田鉄矢)
10.ボディターゲット(1993年、ロバート・ハーモン監督、ジャン=クロード・ヴァン・ダム)


1は正直『ロッキー4』と迷いました。
しかしあっちはもう胸板ならぬ鉄板な作品な訳ですから、
敢えて気合と筋肉で勝敗を決する本作をセレクト。
腕の筋肉を目立たせる為なのか分かりませんが、
会場の照明がギッラギラなのが印象的。

2もどちらかといえばベスト腕筋ムービー。
プレデターの対決? 違う違う、この映画で最も重要な対決は
カール・ウェザースとシュワルツェネッガーの「握手」だ。
デスクワーク中心になるもんじゃぁない、鍛えることも重要です。

3は髭を生やして上半身裸で小走りするシーンが
予告で観る度に目がつき、本編を観た時もやっぱり印象に残ったのでランクイン。

4ですが、みんな大好きロック様といえば最近だと『ワイルドスピード』ですとか
『ペイン&ゲイン』が浮かぶのは至極当たり前のことではありますが、
私にとって思い出深いのはこの『スコーピオン・キング』なのです。
作中、常に見事な肉体を披露しています。
製作総指揮にビンス・マクマホンが名を連ねているから完全にロック様のPVですね。
というかそのことを今回調べて初めて知りました。

5はとにかく長回し撮影が多く、特に印象的なのは
ボクサーである主人公アドニスが入場する様子を後ろから撮っているシーン。
肩から背中にかけての筋肉が盛り上がり、漲っている若者の気合が伝わってきます。

6は同じトム・ハーディならば『ダークナイト ライジング』のベインと悩みましたけど、
肉体が全身凶器って感じの危険な雰囲気を漂わせているのは、やっぱりこっちですね。

7のベン・アフレックはアメコミに登場しそうなキャラクターの肉体を
見事に作り上げましたね。
ほんの少し描かれるトレーニングシーンは激熱モノでしたよ。

映画の出来不出来は関係ないということで、8はこちらをセレクト。
地下闘技場という設定で、金網の中で全身筋肉のケイン・コスギが戦うって
シチュエーションは本当に100点なんですよねこの映画。

内容的には8より9の方が個人的にはお気に入りですが、
今回のランキング的には好みの差ですね。
西島秀俊さんが身体を物凄い鍛えたことで話題になってましたけど、
その先輩は武田鉄矢さんだと思いますね。

10はどうしても湖から裸で出てくる(そして戻る)シーンが
強烈に記憶に残っており、セレクト。真面目な話、内容も凄く好きです。


今回は最初悩みましたが考え始めたら結構出てきまして、
最終的には上位のような結果となりました。
どんなランキングになるのか楽しみです。
集計大変かと思いますが、よろしくお願いいたします!
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ヤギメロ

Author:ヤギメロ
映画とか本とか、色々好きな者だす。

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