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『リアル ~完全なる首長竜の日~』を観た。/これぞごった煮映画

※6/1 誤字訂正
海外で評価が高い黒沢清監督の最新作品。
私は哀川翔さん主演の『復讐』シリーズと『CURE』、それとWOWOWで放送した
ドラマ『贖罪』の第一話しか黒沢作品を観たことありません。
『CURE』が面白かったけれども考えながら観てクラクラしたので、
今回もちょっとした覚悟を持って鑑賞しました。

原作は映画の副題になっている『完全なる首長竜の日』がタイトルの小説です。
実際本編観て「リアル」ってあまり意味が無いような……と思いました。
公式サイトはこちら

結論から言うと自分は大好きです、この映画
対象となる人物の意識下に入り込んで、その人と対話が出来る最新技術「センシング」が
核となる、ジャンル的にいったらSFなストーリー。
佐藤健さん演じる「藤田浩市」は、ある日自殺を図った結果昏睡状態になった
恋人の「和淳美」(綾瀬はるかさん・演)の意識下に入り対話をして、
彼女の意識を戻そうと奮闘する、それが一応のあらすじです。
意識下の世界では淳美は普通に生きており、漫画を描いています。彼女は漫画家だからです。
意識下の淳美は浩市に「15年前に私が描いて渡した首長竜の絵を探して」と頼みます。
淳美はなぜ自殺を図ったのか、そして首長竜とは一体なんなのか? 
この二つが映画の謎になっています。

なぜ私がこの作品が好きなのか?
それはエンターテイメントに徹した為なのかは分かりませんが、映画の中で
色んな物語ジャンルのごった煮が発生しているからです。
だってSFで、ホラーで、サスペンスで、ラブストーリーなんですよ?
他にもあるジャンルが混ざってるんですけど、とにかくこのごった煮感が素晴らしい。
悪く言えばチグハグなんでしょうけど、観ていてドキドキ出来たので個人的には
「色んなジャンルが観ることが出来て、贅沢な映画だなぁ」という印象を抱きました。

特にホラーな部分が神経にザワザワ来る感じで堪りませんでしたね。
「もう絶対何かが起きるよ、絶対……」と予感させる静かなシーンがあったり、
意識下で浩市が淳美と会話してる時の微妙な噛み合わなさとか、ビクビクしながら観てました。
またセンシングを使用すると、現実世界で幻覚を見るようになる副作用があります。
浩市は度々その幻覚に混乱することになるのですが……それが怖いです。
音で「ドーン!」と驚かす怖さじゃなくて、
映っちゃいけないものが映っちゃって「ひっ」となる怖さといいますか。
完全に心霊の類と同じですよ……。

なんだかこれだけだと実はホラー映画だったんじゃないかとか
なりそうですけど、SFの部分も良いんですよ。
例えばセンシングを行う医療機器はメカニカルな造形がシンプルながらカッコいいですし、
それを動かしている医療チームの「無菌」って感じがそそります。
また、中谷美紀さん演じる医者の一人「相原栄子」の妖しさといったら……。
一応良いお医者さんなのに不気味に見えてくるので、映画全体の不穏感の手助けをしています。
他にも意識下の世界にだけ現れる記号の存在「フィロソジカルゾンビ」なんかも最高です。
あれが自分の周りに現れたらもしかしたら自分は……と想像して怖くなりますね。
顔が面白いんで「フィロソジカルゾンビごっこ」とかやりたくなりますよ、多分。

色んなジャンルが放り込まれたような作品ですが、最終的に行き着くのはラブストーリーです。
愛する人がいて、その人の為に必死に頑張ろうとする。
幸せになれそうな二人だよなぁと私は思いました。

分かりにくいかと思ったら全然そうでもなく、分かりやすい映画でした。
綾瀬はるかさんの抑えた演技が光っています。
あんなに冷えた「恐ろしさ」を出せる人だとは思っていませんでした。
娯楽作品にはなっていると思いますよ、自分は楽しめましたし。

で、これ以降の「More......」で映画の完全なるネタバレを行います。
ネタバレというか、観ていて滅茶苦茶思ったことを書き連ねるだけです。
でも核心的な部分なので、まだ観ていない方は見ない方が良いですよ
ここまでで読んだ方がいらっしゃいましたら、興味が湧いたのであれば作品を是非どうぞ。


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ここを開いたor開いてしまったという方には悪いですが早速書かせてもらいます。
首長竜最高!!

映画の終盤、無意識の世界に首長竜が現れて浩市と淳美に襲い掛かる展開となります。
この首長竜が非常に最高なモンスター、というより怪獣でして。
海から登場するシーンも最高なんですが、二人に襲い掛かる際の出てくるところも滅茶苦茶に
テンションが上がってしまいました

全身がCGによって作られた首長竜は中々滑らかな動きをしており、
冷めるような違和感を抱くことはありませんでした。
個人的にはもうちょっと暴れまくって欲しかったところですが、展開上仕方が無いですね。

この首長竜は昏睡状態だった人間の潜在的な罪悪感がコントロール出来なくなり、
それによって生み出された存在だと私は解釈しております。
なぜそう考えたのかというと、似た話を以前見たからです。
それは昔放送された怪獣を取り扱ったドラマシリーズ『MM9』の
第6話「O mio babbino caro」です。
人の想いによって怪獣が生まれてしまうという話……なのですが、実はこの物語にも
元になった映画があります。

それが映画『禁断の惑星』。
この作品には主人公たちを襲う怪物が出てくるのですが、
それは潜在的な憎しみによって生まれたものなのです。
……なんて偉そうに書いていますが、私これwikipediaの知識なんですよね、実は。
『MM9』第6話を見た当時、元ネタがあることを知ってこの作品に行き着いた訳です、はい。
黒沢清監督はもしかしたらこの『禁断の惑星』にあった要素を使っているのではないか、
なんてことを考えてみましたが、実際どうなんでしょうね。
そもそも原作小説がありますから、その中で描かれている展開なのかもしれませんが……。


まぁ正解不正解はともかくとしてですよ、とにかく言いたいのは首長竜最高!!
この一言です。スタッフロールが流れてる画面には首長竜のシルエットが
映されているのですが、終盤の展開もあって「これは円谷特撮シリーズか?」なんて
一瞬考えてしまいました。でも東宝だからどちらかといえばゴジラ?

色んなジャンルがごった煮の映画なんて書きましたが、モンスターパニックの要素もある訳です。
それでいて首長竜の対処方法は物語の設定と展開に合ったものになっています。
人間は様々な想いを無意識や意識の中で抱えて生きていくんだなぁ、と感じました。


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