映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』。 父親に対する考え方が出る映画です。

キック・アス ジャスティス・フォーエバー』観てきました。
前作は渋谷で単館上映だったこの映画も、今回はまさかの全国公開。
1作目は散々迷いながら上映館に行った私も、
今回は迷うことなく近場の映画館に行ってきました。
というわけで公式サイトはこちら

前作は私が大好きなマシュー・ヴォーンが監督を務めていて、オタクな主人公の冴えなさ加減と
一般人でも近寄りやすい雰囲気づくりが絶妙なバランスで調和した面白い作品でした。
アーロン・ジョンソンが演じる主人公「デイヴ」の存在を喰う形となったクロエ・グレース・モレッツこと
「ヒットガール」は一部で絶大なムーブメントを起こしたと思います。
ニコラス・ケイジの狂いっぷりも最高でしたよ。
(今作でも写真だけの出演なのになぜか最後まで存在感がありました。親父凄い、怖い。
 そういえば主要登場人物は全員「父親」という存在に何かしらの想いを抱いておりまして、
 でも肝心の父親達は何かしらの事情で不在となります。超えるべき存在の父親がいないという
 ある意味過酷な状況で若者達がぶつかり合い、成長しようとする青春映画かもしれませんね)

そんな作品の続編ということで、しかもマシュー・ヴォーンは今回プロデューサーに回り
監督は新しい人に交代。期待しつつも不安はあるというものです。
そんな気分で臨んだ映画は……「面白い!」と言って良いのではないでしょうか。
以下からはネタバレあるので注意です!


前作は「知らない世界を覗き込んでしまった」という感じで、
観客である私達は主人公のデイヴと共に
新鮮かつ驚きの体験をする作品だったと思います。
そしてオタクでボンクラな少年がなりたいものになった結果、
世界(というと大げさですけども作品世界という意味では)は大きく変わりました。
それは、街に自警ヒーローがいることが当然の世界になったということです。
街中でコスチュームに身を包んだ人達がヒーロー気分で夜の街を闊歩している、というニュースが
映画の中でも流れます。みんななりたいものになろうとする訳ですね。

今回はそんな世界の中で展開される物語だからでしょうか、
必然的にデイヴもその存在に疑問を持っていない「ヒーロー世界側の人間」に
なってしまっていたと思います。
彼は映画序盤で止めていたヒーローとしての活動をサラッと再開しようとします。
前作のこともありますから普通だったら色々と悩むところでしょうが、
そんな素振りは見せずにナレーションでサラッと済ますところがデイヴの今回の
基本的立ち位置を表していると思います。
その為か、前作にあった新鮮味は無くなっちゃっているかなぁという印象を持ちました。

そんな中で、映画は「ヒーロー登場『以後』の世界」をどう描いているのか?
今作はある意味ヒーロー登場による犠牲者の復讐劇と、その世界を作った原因の一人でもある
ヒットガールこと「ミンディ」の青春ストーリーを基本筋に作られたと思います。

この映画では前作の敵ボスの息子「クリス・ダミコ」が「マザーファッカー」として
残虐かつ凄惨な復讐をキックアスに対して仕掛けてきます。その陰湿さには
前作にあったポップさははっきりいって無いです。笑えるギャグもあるにはあるのですが、
人によっては不快になる部類の下ネタ。けど彼の下で働く新キャラ「マザーロシア」の
強烈な存在感とその暴れっぷりによって、
行くところまで行こうとする勢いはありましたね
住宅街での警官相手の無双! クライマックスのヒットガールとのタイマン! 
……と、マザー・ロシアの見どころは多い。むしろ敵側は彼女のみが一際目立っていて、
他の雇われ殺し屋が印象に残らなかったのが残念です。
 (「チンギス・半殺し」はただの解説役! やられたことさえ気づかない人もいるのでは)

マザーファッカーの相手として対するのがデイヴことキックアスなのですが、
先に書いたように今回のデイヴは完全にヒーロー側の登場人物な為に彼にまつわる展開は
「どこかで観たことある、かも?」ってくらいの苦悩や逆転の展開でした。
個人的には「王道!」という感じで観やすかったのですが。
それに今回のキックアスとマザーファッカーの関係は「バットマン」の誕生エピソードを
逆さまにしたような感じでちょっと面白かったです
(『バットマン』ネタも登場人物の会話にあったし)。
(余談ですが他のヒーロー達と協力してマザーファッカー軍団と対決するところは
 『ダークナイトライジング』を思い出しました)

ただ映画全体で印象に残るのはやはり
ミンディが普通の女の子になろうとする青春映画的なパートだと思います。
これも正直話の流れや彼女を苛める女子のキャラクターはありがち……なのですが!
ミンディ自体が一般とはかけ離れた、正直普通じゃない為に
結構変な中身にになっているかと思います。
特にいじめっ子的ポジションの女への復讐なんかはミンディにしか出来ない芸当。
とんでもないお下劣具合です。
とは言いつつもやっぱり本質的には「ミンディも女の子なんだ」ということが
伝わってくるシーンも度々ありまして、この部分はミンディ好きひいては
それを演じたクロエのファンには大満足の出来じゃないでしょうか。

彼女は色々な経験をした結果、自分が本当にいるべき場所はどこなのか、
自分は何者なのかを再発見して一人立ちしたかのように街を出ます。
この辺りは完全に彼女が主役といっていいでしょう。
前作でもミンディことヒットガールは目立っていましたが、あくまで物語のメインはデイヴでした。
今回はその物語面でもミンディが主役の座をほぼ奪っているといっても過言ではないと思います。
デイヴはデイヴでミンディの淡い恋の相手要員として活躍している部分もありますけどね。
ここら辺のデイヴの鈍感具合は前作には無い(日本の)漫画的なモノを感じました。

ちなみにアクション面でも彼女の凄さはパワーアップ!
15歳になったヒットガールはバイクはもちろん、初登場時にゴロツキをナイフ付きヌンチャクで
容赦なく叩きのめすところは名シーンです。ここは考えるな、感じろ! と言いたいです。

映画の最後にはまだまだこの作品は続ける、という意思を感じさせます。
それを象徴するかのように映るのは立派な身体になってトレーニングをするデイヴと、
本格的になった鉄製?のキックアスのマスク。
この映画でデイヴはそりゃもう色々とヘビーな経験をします(『スパイダーマン』的なやつです)。
なので彼はますますヒーローとして強くなっていくでしょう。

しかし私は思うのです。
『キックアス』の世界で「ヒーロー」として強くなるということは、
前作で死んだ「ビッグダディ」のようになるかもしれない危うさも持つことを意味するのでは、と。

もし次回作があるならば、個人的にはデイヴなりの思想がエスカレートした結果の
「怖さ」を描いて欲しいなぁと思いました。ますます暗くなりそうですけど、
それによって今回あった程々の物語の暗さも活きてくるのではないでしょうか。

他にも「ジム・キャリーコメディシーン無いのか」「友達元凶過ぎるだろ!」と言いたいこと
ありますが、全体的に考えてみると内容は好き嫌い分かれそうな気もしますが、
個人的には良かったです。続編映画としては及第点の出来だったと思います。
まずは観て、好き嫌いを判断しましょう。
でもどんな時でもジャスティス! フォーエバー!



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