一応完結したので『THE NEXT GENERATIONパトレイバー』の残りの話の感想を書く。

全7章の上映+劇場版の公開が予定されている『THE NEXT GENERATIONパトレイバー』。
アニメや漫画で展開された『機動警察パトレイバー』の実写版です。
総監督は押井守監督。この方が選んだ三人の若手監督+押井監督自身の四人で
7章を構成する全12話をそれぞれ演出しております。

前回の記事では第4章までにあたる1話から7話までを取り上げました。
本日は第7章が公開しまして、一応シリーズ上映が完結。5月の長編劇場版を期待しながら
残りの話数の感想を残していきたいと思います。※途中長くなります。

第8話『遠距離狙撃2000』(監督:辻本貴則)
この話はカーシャの過去に迫る物語で、彼女主役回担当の辻本監督が演出を担当。
「自分を鍛え上げてくれた師匠との対決」を軸に、日本でも珍しい狙撃バトルを展開します。
こんなにも「狙撃銃」というものに対して焦点を当てた作品はやっぱり押井作品。
同じ監督によるカーシャメイン回『野良犬たちの午後』が監督の得意分野である
「『動』のアクション回」だとするならば、今回はどちらかというと「『静』のアクション」。
辻本監督ファンはもちろん必見ですし、これで監督とカーシャのファンになるかも。
とにかく師匠役の外国人役者の方と共にカーシャが魅力的でカッコいい。
太田莉菜さんはハマリ役を手に入れた……と思ってたら『海月姫』で
とんでもないキャラを怪演しており、こちらも凄かったなという余談。

第9話『クロコダイル・ダンジョン』(監督:田口清隆)
エピソード0以来、特撮ワカテの田口監督登板回。
東京の地下での策謀と冒険を描いたこの話、
過去のアニメ版『パトレイバー』でも二度使われた題材です。
今回はその正統なる続編。三代目になっても同じことを
繰り返す特車二課隊員の馬鹿騒ぎ、そして衝撃のクライマックスは必見。
『パトレイバー』が好きで、特に所謂『ダンジョン』二部作が大好きという田口監督。
過去のダンジョン回の小ネタを拾いながら愛が溢れまくった作品になっています。
昔を知っていても知らなくても楽しめるお話です。

第10話『暴走! 赤いレイバー』(監督:田口清隆)
『野良犬たちの午後』でコンビニ籠城をしたが
特車二課の活躍によって逮捕されたテロリスト「蜂野一郎」。
しかし蜂野はその身柄を護送中に隙を見て脱走。
新潟へ逃げた彼を特車二課隊員の塩原佑馬と泉野 明が捕まえに行くという話。
今回は1話以降ずっと描かれなかったレイバー同士の戦いが展開。しかもかなり本気。
この話で印象的なのは、「特車二課」という存在が社会で
どんな認識をされているのかが分かることです。
二人はある親子から写真撮影を頼まれます。
佑馬達が特車二課の制服を着ていたのが理由で、二人は快く了承。
撮影後、去っていく親子があるやり取りをします。
子ども「ママ、あの人達誰?」 
母親「ロボットのおまわりさんよ」
そこで思い出されるのがこのシリーズの世界観設定です。
2013年となった日本ではレイバ―産業が廃りレイバ―犯罪も減少、
特車二課の存在を知っている人が少なくなっています。
小さい子どもは当然「レイバーを知らない人」に分類されます。
そんな親子の姿を見て祐馬が「子どもは知らないんだよな……」と呟くのです。
9話までは登場する人物が大体特車二課の存在を知っていました。
レイバ―、とは言わなかったりするものの大抵「ロボットのおまわりさん」と表現しています。
しかしこの章ではそうは言わない、むしろ彼らを知らない若い世代として「子ども」が登場しました。
このたった1シーンによって、「時代の遺物」として取り残されてしまった
特車二課とイングラムの存在が強調されているなぁと思いました。
なんとなく寂しさが生まれる場面ですが、これを終盤のイングラムのデッキアップで
吹っ飛ばしてくれます。イングラムのデッキアップに群がる人達の中で、
携帯のカメラを掲げるのは……。
ちなみにレイバー戦は戦略8割戦闘2割ですが面白かったです。
敵レイバ―の暴走っぷりがたまらない。

第11話『THE LONG GOODBYE』(監督:湯浅弘章)
明の元に高校の同窓会の招待状が届く。
それがきっかけで思い出される高校時代の淡い想いと想い人。
祐馬に囃し立てられ同窓会へ行くことになった明は、
そこでその想い人である男性と再会する……という話。
湯浅監督三度目の登板は、自身の担当回で部分部分で見せていた
「女の子を可愛く・綺麗に撮る」という得意技全開の話です。
『遠距離狙撃2000』とは対照的な作風ですが、
「自身の過去と向き合う」という意味では本質的に同じ話だと思います。
再会した相手の「今の姿」に対する戸惑いが明の「視線」となって表現されており、
真野恵里菜さんの可愛さが引き出されている作品です。
またこの回は「隊員達の物語が中心として描かれたドラマシリーズ」
における『最終回』でもあります。その証拠に第1話『三代目出動せよ』であった
「引き継ぎの儀式」「事件発生→誤報の状況」をこの話でもう一度見せています。

第12話『大いなる遺産』(監督:押井守)
という訳で本日公開の第7章、観てまいりました。
2話『98式再起動せよ』で登場したトイレと話の長い警視総監が
前立腺患いで遂に倒れてしまう。後任の人選問題が立ち上がると同時に、
特車二課解散の話も浮上。事態を察知した後藤田隊長は
先代が遺した「特車二課の遺産」とは何かを探し始める……という話。

今回の話、5月公開の長編『TNGパトレイバー 首都決戦』の完全なる前振りです。
その後に流れた長編予告の為に1200円払ってしまった……そう思った方もいるのでは。
しかし個人的にはこの話、長編に対して非常に期待を持てる出来でした。
というのも今までコメディ中心で描かれてきた話とは対照的に
今回は雰囲気が段違いにシリアス。撮り方から演出まで、
一応押井監督作品の好きな自分でも「本当に『三代目出動せよ!』や
『大怪獣現わる』のユルさを撮った監督なのか……?」と驚き。
特に序盤、ある紛争地域が登場するのですがその描写に痺れました。「あの人」も出ますし。
ただ『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』を観ていない方はポカンとするのでは。
個人的にはBGMといい『パト2』回想映像といい、興奮しましたが。


そんなこんなで『TNGパトレイバー』も残りは長編劇場版のみ。
第7章後にはその長編の予告が流れるのですが、これがまぁアガッたアガッた。
もう予告で流れた映像を本編として観られるならそれだけで満足です。
ただ第6章まで『パトレイバー』として非常に面白い実写化作品でしたので、
この時代になってこういう風な形で映像化されるとは思いませんでした。
祭りと決着に向けて、今からドキドキしたいと思います。


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