『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01恐怖降臨!コックリさん』の投稿映像パートが素晴らしかった。

『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨! コックリさん』を観ました。
このブログでも何度か取り上げているシリーズです。

本来がDVD販売のみのOVシリーズながら、『劇場版』公開の頃から
新作は渋谷アップリンクにて限定公開。我慢できずに行ってきてしまいました。
6月13日、つまり昨日にはネットで公式生配信(有料)。
そちらでも鑑賞し、これで2回観たことになります。どれだけハマっているんでしょうか。

前作『最終章』で今までの世界が一巡し、新しい世界となった『コワすぎ』シリーズ。
……簡単に説明した割にぶっ飛んだことを書いているので、
気になる人は前シリーズを1から観ましょう。
ちなみに『最終章』の私の感想としては、
1つ前の『劇場版』でほぼ全ての謎を回収してあとは
「物語を終わらせる」という一点のみしかない状況の中、「白石監督作品オールスターズ」な
お祭りムードで作品を一旦完結させたのは良くも悪くも凄いなぁと思いました。
不穏さの漂う雰囲気やVFXを使ったビジュアルも見事に決まっていましたね。

そんなこんなでリニューアルしてタイトルも変わりました。
その名も『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!』。「超」が付いただけです。
とはいっても物語の基本構造は同じ。
映像が投稿される→そこに映った不可解な現象を調査
→最終的に工藤一行が色々と滅茶苦茶にする、というものです。

『超』が付いたことで何が今までよりパワーアップしたのでしょうか?
前シリーズと見比べると小ネタ含めてその差に色々と気付けるのですが、
今回私が特に着目したいのは投稿映像です。

物語が始まるきっかけとなる投稿映像。
ここに怪奇現象が映り込むことで工藤達が動き出します。
今回、投稿映像パートが長いです。
公式有料配信で観たところ、リプレイ時間除くとなんと25分でした。
そのボリュームはまさに短編1本分のホラー作品です。
ではそれが駄目なのか? それで引き伸ばししているのか?  といったらそうではなく、
長くなった分「観客をビビらせる・怖がらせる演出」を
これでもかと詰め込んでいるなぁと思いました。

今回はその投稿映像にどれだけ人を怖がらせようという
演出が詰め込まれているのか? を自分なりに分析しようかと思います。
「それは考え過ぎでは?」という部分もあるかもしれないですが、
「何で今回こんなに怖かったんだろう……」ということを自分の中でも考えたいので。
それと投稿映像の部分に限り、ネタバレ注意です。


<自分が怖いと思った演出の数々>
【舞台となる廃校舎の映し方】
冒頭、下から見上げるような形で作品の舞台となる廃校舎が映ります。
時間帯は夜で、かつカメラはナイトモードなので緑掛かった映像。
この時点ではまだ序の口ではありますが、不気味さを漂わせます。
ここで撮影者と同行者の女子2人が「なぜここでコックリさんをやるのか?」を説明。

【塀を乗り越える】
廃校舎に忍び込む女子2人。
校舎の塀を乗り越える姿がほぼカットされずに映されます。
当然塀の向こうは暗くてはっきり見えません。
「もしかしたら向こう側に何かがいるかもしれない」ということや
「境界線を超え、怪奇現象が発生する場所へ足を踏み入れる」ことが描かれ、
じっくりじっくりと不安感を煽っていきます。

【校舎の中に入り、暗い校内を歩く】
当然ながら投稿映像なのでBGMは無く、音はほぼ環境音と女子2人の会話のみです。
撮影者が持つカメラは、先の見えない暗い通路や階段を捉えます。
同時に、無人の廊下を歩く撮影者と同行者の様子も描かれます。
特に印象的なのは前を歩く同行者を後ろから撮影者がカメラで撮影するカット。
前シリーズFILE4『真相! トイレの花子さん』の舞台も廃校舎でしたが、
今回はあの作品以上に「夜の校舎の不気味さ」をかなり濃く描いているなぁと思わされます。
女子2人の会話は誰もいない校舎内に響き、不気味な雰囲気を更に漂わせます。

【教室への入り方その1】
コックリさんを行う教室に到着。ドアが閉まっています。
ここで定番、「ゆっくりとドアに手を掛けて……開ける」が行なわれます。
この辺りは第一のヤマ場とでもいいますか、
じっくり高めてきた不安感のピークが訪れます。
ドアがゆっくり開かれる音もかなり嫌な音で、印象に残りますね。

【コックリさん開始……からの!】
教室に着いた2人はコックリさんを開始します。
この直前に音によるドッキリ演出があり、
一度消えた不穏な空気が再び膨れ始める切っ掛けになってるのでは? なんて少し深読み。
当然『コワすぎ!』なので怪奇現象が発生。何が起こるかは観てください。
恐ろしい出来事が起き、女子2人は教室から逃げようとする。
しかしコックリさんに対して暴言を吐いた撮影者のみが教室に閉じ込められる。
突然、撮影者は後ろに強い力で引っ張られ身の危険に晒されます。
この辺りが第二のヤマ場。
コックリさんを始める準備辺りからじっくり煽っていた不気味さが、爆発します。
撮影者が危険な目に遭う様子も、カメラ視点=POVなので主観映像で撮られています。
つまり、怪奇現象の被害者と観客の視点が一体となる瞬間です。
臨場感と恐怖が一斉に襲ってくるような感じに仕上がっています。
ちなみにこの演出は前シリーズFILE3『人喰い河童伝説』でも観られました。
それの応用ですね。
ここでカメラに怪異の正体ことコックリさんが映ります。

【撮影者交代】
被害を受けた撮影者が意識を失い、カメラが床に転がります。
同行者が新撮影者となってカメラを拾います。
うつ伏せに倒れた元撮影者に声を掛けたところ、
元撮影者は奇声をあげ、新撮影者に襲い掛かってきます。コックリさんがとり憑いたのです。
とり憑かれた元撮影者は、獣のように新撮影者を襲おうとする。
新撮影者、教室を出る。
教室のドアを閉めようとするが、元撮影者の顔が挟まる。
新撮影者、挟まった顔を蹴り飛ばして撃退。
その後、一旦逃げる。
海外のホラー映画を彷彿とさせる一連の流れが、ここで描かれています。

【逃亡後の新撮影者の行動】
元撮影者が気になり、再び教室へ戻る新撮影者。
ここでまた教室へ向かう道中をじっくりと映すことになります。
怪奇現象が起きたばかり&今度は1人で歩くことになるので、
先ほどと同じコースのはずなのにさっき以上に更に不気味な感じに映ります。
教室へ到着するまでの最後の廊下で、微かに女性のすすり鳴く声が聞こえてきます。
ここで「音声」による不安感を煽る演出がされる。この声は元撮影者の声です。
今までの流れの中でも音による演出はありましたけど、
自分はここが一番嫌な感じがしました。
教室に着いた後は、閉まったドアをゆっくり開ける演出2回目。
やはり先ほどよりも「何かが起こるかもしれない」という不安感が増し増しです。

【ドアを開けて……】
ドアを開けると教室内で元撮影者が顔を伏せ両手隠しながら、座り込んでいます。
新撮影者が声を掛ける。
また襲ってくるかもしれない、もしかしたら罠かもしれない……という
考え方も出来なくはない状況。
ここが第三のヤマ場かなと。

顔を上げ振り返る元撮影者。
顔が血だらけ。
具体的な怪奇現象ではありませんが、生々しい怖さで割とショッキングな場面となっています。
と同時に、新撮影者が元撮影者の顔を蹴った前振りが回収もされるという驚き構成。
余談ですが、正気を取り戻した元撮影者が泣きながら言う言葉に笑いました。
2人、その場を逃亡します。


という訳で、以上です。
ホラー映画でよくある演出からPOVというスタイルを活かしたものまで、多種多様ですね。
こういう引き出しの数やその組み合わせ方使い方を見ると、白石監督はやはり
ホラー映画畑の方なんだなぁと思わされます。
と同時に「コックリさんに憑かれた子が襲い掛かる→撃退して逃亡」という流れは、
白石監督が「工藤仁」というキャラクターを生み出した由来にもそうだし、
何より監督の好みがかなり入っているんじゃないかと思いましたね。

それと「音」。
これも今回の「投稿映像の怖さ」を生むことにかなり関係していると思います。
ドンッ! という音から夜の校舎の環境音まで、様々な音が効果的に働いている気がしました。
泣く声はビビりましたねぇ。

この作品の前半で流れる投稿映像部分は先に書いたように
「短編ホラー作品1本分」の長さがあり、それ相応の見応えがしっかりとあったと思います。
だからこそタイトルに「素晴らしかった」と自分の印象を載せました。
ここまでやってFILE2ではどんな投稿映像を見せてくれるのか、期待です。

<ちなみにこの後の展開は?>
調査に乗り出した『超コワすぎ!』チームが
ここまで書きました「『ホラー映画のお約束』で形成された世界観」を
問答無用でぶっ壊すエンターテイメントが始まります。
初めての人にも楽しめる作品になっているのでおススメです。
是非どうぞ。
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Author:ヤギメロ
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