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『監査役 野崎修平』で久しぶりに織田裕二主演作で満足した、という話。というか感想。

2018年冬のドラマは好きなドラマが多い。
TBSでは『アンナチュラル』が見応えがあって、
毎週色んな感情を呼び起こさせてくれる。
一方フジテレビでは、視聴習慣は不定期ながら
『隣の家族は青く見える』が見る度に鮮烈な衝撃を与える。
会話劇が主体のホームドラマで、見ていて懐かしさも感じたり。

そんな中、先日放送を終えたドラマがある。
それがWOWOWで放送されていた『監査役 野崎修平』だ。
同名漫画が原作で、銀行を舞台にしたドラマ。主演は織田裕二さん。

織田裕二さんは結構好きな俳優で、映画やドラマが上映・放送されると
とりあえず足を運んでみようかな、となる役者さんの1人。
と書きつつも、正直近年はあまり心から満足出来る作品が無かった。
ドラマで最後に満足したのは同じくWOWOWドラマで主演した『株価暴落』なのだが、
登場人物の気持ちの揺れ動きをじっくり描くのは良いけど、
物語の肝となる「事件」がもっとスピード感があった方が良いのでは
……と思えてしまい、何なら1~2回に内容を濃縮しても良かったんじゃないかと
色々と思うところがあった(あくまで個人的印象です)。
映画だと『アンダルシア 女神の報復』かな。

そんな中で個人的に、久しぶりに満足出来たのが『監査役 野崎修平』だった。
街の小さな支店で支店長を務めていた主人公・野崎の元に辞令が下り、
おおぞら銀行本店に監査役として舞い戻るところから物語が始まる。
「監査役」とは会社の不当な職務執行や違法行為が行われていないかを監査し、
それを是正または阻止する職務。そういう肩書を持つ人間が主人公ということは、
舞台となる銀行はそりゃ魑魅魍魎が跋扈するような場所である訳です。
そんな銀行の中で織田裕二さん演じる野崎修平が真っ直ぐに正義を遂行していくというドラマ。

舞台が銀行で、銀行員の主人公が大きな壁に立ち向かっていく話というと、
やっぱり思い出すのは『半沢直樹』『花咲舞が黙っていない』といった
池井戸潤先生の小説が原作のドラマですね。
本作にも両作のように、悪ぶってるような連中に一泡吹かせる要素は確かにあります。
しかし自分がこの『監査役 野崎修平』というドラマに強く惹かれたのは、
権力闘争ともいうべきパワーゲームが描かれていたからです。

主人公の野崎が監査役という職務を忠実に全うすると、それまで明るみに出なかった、
なぁなぁで済まされてきたようなおおぞら銀行の「闇」がどんどん明らかになっていきます。
そうすると周囲の銀行上層部の面々や部長以上の階級の人間は困る訳です。
困った彼らが何をするかというと、当然野崎潰しはしつつ、自らの権力を守る為に
あの手この手を尽くしまくるんですね。時には同じ立場にいる人間とも対立もします。
訪れることは無いと思われていた混沌とした状況。
銀行内部の人間関係が、野崎の登場によって揺るがされていくんです。
そのかき乱されていく人間模様が非常に見応えがありました。
この辺りは『アウトレイジ ビヨンド』の組内部の小競り合いを思い出しました。
光石研さんも出演してるし。

一方の正義を遂行する野崎は安穏としているかというと、実はそうでもない。
自分の代わりに周囲の人間が被害を被ったり(銀行モノのドラマで
聞き慣れた「出向」という単語がバンバン出てきます)、
時には自分自身や家族にも被害が及びます。なぜ家族にも被害が?

ドラマの舞台はバブル崩壊後の1990年末で、商法改正前後の時代。
現在ではあまり聞かなくなった「総会屋」が幅を利かせていて、
しかも本作ではおおぞら銀行とも密かに繋がっているのです。
裏社会の危険な匂いまで漂わせてくる中で、
野崎は自分が勤める「おおぞら銀行」を守る為に戦い続けます。
周辺の人間が権力闘争に身を注ぐ中、野崎のその愚直さはあまりにも浮く。
でもそんな真っ直ぐさに、次第に周囲が感化されていく……。
そんな野崎ですがずっと真っ直ぐという訳でもなく。
腹黒い面々の戦っていくうちに、
序盤に僅かに見せていた策士のような面が段々と磨かれていくんですよね。
真っ直ぐな戦い方だけでなく、相手を挑発したり情報取集に
余念が無くなってくるんですよ。銀行での戦い方を学んで経験値を
積んでいくあたりも中々面白かったです。

野崎の前に立ちはだかる大きな存在が、頭取である京極。
演じるのが古谷一行さんなのですが、この方がまぁ凄い。
ドラマ自体はもちろん評価されて欲しいのですが、この人の
「大魔王」「妖怪」「古狸」(散々だ)という表現が似合う悪役っぷりは
絶対に何かで評価されて欲しいです。
権力を持つことに対して決して遠慮することなく、
自らの行為に絶対の自信を持つ男。
普段は穏やかに、しかし時に激しさを見せて
権力に執着する姿は本当に素晴らしかった。
織田さんと古谷さんのやり取りが回を重ねるごとに険悪に、
熱を帯びた対立に変貌していくのは必見です。
他にも個性的な役者陣がいるのですが総論でいうと、
普段TVドラマで見かけない人や久しぶりに見る人、
TVに出ててもワンポイントな役、というのが多い役者さんが
印象的な活躍をされていることが結構あって、新鮮な印象がありました。

自分は今期は『アンナチュラル』と『監査役 野崎修平』が
特にお気に入りなのですが、この2つはジャンルは全く違いますけど
「過去に目を向ける」ということを疎かにしていない部分に
勝手に共通点を感じています。
葬られそうになる過去から目を背けず、掘り起こし、
その上で真実への道を切り開いていく。
そういう匂いのするドラマが好きなんですかね、自分は。

『シン・ゴジラ』では「スクラップアンドビルド」という単語が登場し、
『紅い眼鏡』では「正義を行えば、世界の半分を怒らせる」という台詞があります。
正義を遂行し続ける野崎が迎える彼の結末、おおぞら銀行の未来には
この上2つの言葉を思い出すような苛烈さと小さな希望を個人的には感じました。
原作の漫画には主人公の野崎がおおぞら銀行の頭取になる続編が
あるようですし、是非ともその映像化が見たいなぁと熱望したくなるドラマです。

早くBlu-rayが出ることを願います。興味のある方は是非どうぞ。
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映画とか本とか、色々好きな者だす。

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